【中学生でもわかる】キャッシュフロー計算書とは?わかりやすく解説!【会計】

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  • キャッシュフロー計算書って何?
  • キャッシュフロー計算書がイマイチつかめない・・・
  • キャッシュフロー計算書を簡単に理解したい!

本記事ではこのような疑問や悩み、要望にお応えします。

日商簿記1級資格保有で、監査法人や会計コンサルティング会社で働いてきた経験のある筆者が「キャッシュフロー計算書とは何か?」についてわかりやすく解説します。


本記事を読めばキャッシュフロー計算書に対する理解がスッと頭に入ってくることでしょう。

キャッシュフロー計算書(C/F)とは?

決算(イラスト)③

キャッシュフロー計算書とは会社のキャッシュフローの流れを表す決算書の1つです。

キャッシュフロー(Cash Flow)とは文字通りキャッシュ(=お金)のフロー(=流れ)という意味で、キャッシュフロー計算書は「企業の一会計期間(通常1年間)にどれくらいお金が入ってきたか、どれくらいお金が出ていったか」を表します。

また、キャッシュフロー計算書の作成義務があるのは主に上場企業のみですが、貸借対照表・損益計算書と並んで「財務3表」と呼ばれるほど存在感の強い書類なのです。

ではキャッシュフロー計算書はどのような役割を担っているのでしょうか。

まず企業が儲かっているかどうかは損益計算書の利益計算によって判断することができます。

しかし、損益計算書の利益計算はお金の流れではなく取引の発生に着目したものであり、利益が計上されていても、キャッシュの裏付けがありません。

例えば、売上があがったとしても顧客がクレジットカードで支払う場合、口座にお金が振り込まれるのは1、2ヶ月先になります。

つまり、売上として計上されていてもキャッシュの流入という事実はないのです。

このように「売上が計上されているのにキャッシュの流入がない」という状況がひどくなると黒字倒産になりかねません。

黒字倒産とは会計上は黒字なのにキャッシュがないため倒産してしまう現象のことを指します。

そのため、企業が事業を継続できるかどうかはキャッシュがあるかどうかで決まるのです。

また、企業のキャッシュフローを見ることによってその企業が創業期なのか?成長期なのか?のような、どの事業局面に位置しているのかを知ることができます。

したがって、キャッシュの裏付けや事業局面の判断材料としてキャッシュフロー計算書は重要な役割を担っているわけなのです。


そして、キャッシュフロー計算書は以下の要素で構成されています。

  • 営業活動によるキャッシュフロー

  • 投資活動によるキャッシュフロー

  • 財務活動によるキャッシュフロー

この3つは「どのような活動からお金の流れが発生したか?」によって分類されています。


それでは1つ1つ中身を見ていきましょう。

営業活動によるキャッシュフロー

営業活動によるキャッシュフローは本業の活動によって生じたお金の流れを表しています。

こちらは本業の活動において主に材料などを仕入れた時の支出や商品・サービスを販売した時の収入を指します。

つまり営業活動によるキャッシュフローは本業で稼いだキャッシュであり、通常はプラス(+)となります。

投資活動によるキャッシュフロー

投資活動によるキャッシュフローは設備や金融商品(株式など)への投資活動によって生じたお金の流れを表しています。

こちらは建物・工場への支出や株式売買時の収入・支出などを指します。

つまり投資活動によるキャッシュフローは将来への投資に関する収入・支出であり、設備投資などを積極的に行なっている企業は通常マイナス(-)になります。

財務活動によるキャッシュフロー

財務活動によるキャッシュフローは資金調達によって生じたお金の流れを表しています。

こちらは銀行からお金の借入・返済をした時や株式を発行して投資家からお金を集めた時の収入・支出などを指します。

企業は基本的に資金調達をして事業を大きくしていくため、財務活動によるキャッシュフローは通常プラス(+)である場合が多いです。

フリーキャッシュフローで判断

企業のキャッシュ状況の判断として「フリーキャッシュフロー」というものがしばしば使われます。

フリーキャッシュフローとは文字通り企業が自由に使えるお金を指し、以下の式で表されます。

フリーキャッシュフロー

= 営業活動によるキャッシュフロー + 投資活動によるキャッシュフロー


= 本業で稼いだお金 − 設備投資等に使ったお金

よってフリーキャッシュフローの金額は大きければ基本的に良しとされます。

ただ、フリーキャッシュフローが小さいorマイナスであっても一概に悪いとは言い切れません。

それは事業拡大のために積極的に設備投資等を行なった場合は意図してフリーキャッシュフローがマイナスとなっているからです。

したがって、フリーキャッシュフローは企業の設備投資状況などを考慮してキャッシュ状況の判断に使う必要があります。

事業発展ステージのキャッシュフロー

一般的な、事業の発展ステージとキャッシュフロー状況の関係は以下の通りです。

※CF = キャッシュフロー

創業期

  • 営業活動によるCF:-
  • 投資活動によるCF:-
  • 財務活動によるCF:+


    創業期はまだ売上があまりたたず、資金の借入れをして設備投資等を行なっている状況が想定されます。

成長期

  • 営業活動によるCF:+
  • 投資活動によるCF:-
  • 財務活動によるCF:+

    成長期は事業が軌道に乗って収入が増えてきたが、より高い成長を狙って資金の借入れをして設備投資等を行なっている状況が想定されます。

成熟期

  • 営業活動によるCF:+
  • 投資活動によるCF:+
  • 財務活動によるCF:-

    成熟期は事業が安定し、設備投資等への支出も弱まり借入れ資金の返済や株主への配当を行なっている状況が想定されます。

衰退期

  • 営業活動によるCF:-
  • 投資活動によるCF:+
  • 財務活動によるCF:-

    衰退期は事業が縮小し、引き続き設備投資等への支出も弱まり借入れ資金の返済や株主への配当を行なっている状況が想定されます。

まとめ

キャッシュフロー計算書は主にキャッシュの裏付けや事業局面の判断材料として重要な役割を担っています。

また、キャッシュフロー計算書は企業の活動を営業活動・投資活動・財務活動の3つにわけてそれぞれのお金の流れを把握します。

企業の資金繰りを具体的に確認できるのがキャッシュフロー計算書なのです。

なお、貸借対照表・損益計算書についてはこちらを確認してみてください。

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