世の中のマーケティング施策には様々な行動心理学が応用されています。
ビジネスは人対人の営みの上で成り立っているため、人間の行動心理を読み解くことがビジネスにおける成功へのカギを握ります。
そして、その人間の行動心理の傾向を読み取って事前にマーケティング施策に取り込むことがビジネスにおいて有効に働くのです。
そこで今回は「今日から使える行動心理学11選」をまとめたのでご紹介します。
アフォーダンス理論
アフォーダンス理論とはモノが持つ色や形、材質などがそのモノの扱い方をすでに説明しているという考え方です。
「どのように使えばいいのか?」や「何のためにあるのか?」に対してわかりやすいデザインなどによって使用方法や目的が示されれば、顧客はストレスを感じることなく「買う」という決断をすることができます。
アンカリング効果
アンカリング効果とは最初に提示された数字や条件が基準となって、その後の判断が無意識に左右されてしまうという心理効果のことです。
例えば、アパレルショップに行った時をイメージしてみてください。
よく「30%off」みたいな値札タグを見かけませんか?仮に元の値段が5,000円だったとすると30%offで5,000円→3,500円となります。
この時最初に提示されている値段が5,000円であるため、3,500円になるととてもお得に感じますよね。
もしも最初から3,500円であれば購入しなかったところを5,000円→3,500円であるために購入してしまうというのがアンカリング効果なのです。
コントラスト効果
コントラスト効果とは同じモノでも直前や直後に何に触れたのかによってそのモノの印象が大きく変わるという心理効果のことです。
例えば、「5万円の情報商材を学べば年収400万円から600万円になる」という広告があるとします。
つまり、収入を200万円上げるのに5万円の投資ということです。
この場合、情報商材の5万円が年収の金額などに比べると安く感じてしまうのです。
上のアンカリング効果と少し似ていますね。
ヴェブレン効果
ヴェブレン効果とは製品の価格が高まるほど製品の効用も高まるという心理効果のことです。
ここで、「効用」とは欲望を満たしている度合いをいいます。
つまり、高い商品を買えばそれだけ満足度も上がるということです。
そして、この満足度が上がるというのは高いモノを周りの人に見せびらかしたいという欲求が満たされることを意味しています。
なので、顕示的消費として高額商品に手を出すという心理が働くのです。
スノッブ効果
スノッブ効果とは人は周囲とは違う特別な存在であると潜在的に思いたいという心理効果のことです。
購買においては「他の人が持っていない」「簡単に入手できない」商品を欲する心理になります。
人は「〇〇限定」という言葉に弱いのです。
ダブルバインド効果
ダブルバインド効果とは誘導したい行動が前提の選択肢を提示して相手に選択の自由を与えないという心理効果のことです。
例えば、商品を買うか買わないかという選択肢を与えずに、どの商品を買うかという選択肢のみを与えるというビジネス交渉術があります。
エピソード記憶
エピソード記憶とは人間は物事を記憶する時に、単に意味などを記憶するよりも、ストーリーに結びつけて記憶する方が遥かに記憶することができるという現象です。
例えば、ソフトバンクのcmが有名ですよね。ホワイト家というストーリーを作ってそれが人々の記憶に残り、携帯電話の契約をする時に顧客獲得がしやすくなります。
クレショフ効果
クレショフ効果とは複数の画像を並べるとその間に何らかの繋がりを認識してしまう心理効果のことです。
たとえ、それらの画像の間に何の関係が無くても、勝手に前後関係等を連想して繋がりを作ってしまうのです。
例えば、自然由来のオーガニックシャンプーの広告画像を作る時に何も関係のない森や草原などの画像を一緒に並べれば、より「自然」な感じを醸し出すことができます。
決定回避の法則
決定回避の法則とは選択肢が多くなると何を選択すべきかわからなくなってしまう心理状態のことです。
例えば、アイスクリーム屋さんで12種類の味があるとすると、どれを選べばいいのかわからなくなりますよね。
この場合どれを選んでいいかわからず「買わない」という選択をしてしまう可能性もあります。
しかし、12種類から3種類にメニューを絞れば選びやすくなり、結果的に売上も伸びることが期待されます。
バイヤーズリモース
バイヤーズリモースとは商品を購入した後も「本当に買ってよかったのか」と後悔をしてしまう心理状態のことです。
マーケティング戦略においては顧客に対してバイヤーズリモースを抱かせないことが大事になってきます。
消費者は一般的に購入する瞬間が最も満足した状態になり、そこから満足度が徐々に下がってしまうのです。
そのため、商品購入後も何らかのアフターケアをして、リピーターになってもらうことが重要になってきます。
マジカルナンバー(4±1・7±2)
マジカルナンバーとは人が一度に記憶できる情報の数のことです。
マジカルナンバーは元々7個前後だとする論文が出されていましたが、後に4個前後だとする論文も出されました。
現在では4個前後が有力とされています。
例えば、商品のメニューを考える時はメインメニューにあたるものを4個前後にすると、消費者は頭の中で記憶・処理がしやすくなり購買へとつながるのです。
まとめ
今日から使える行動心理学11選
- アフォーダンス理論
モノが持つ色や形、材質などがそのモノの扱い方をすでに説明しているという考え方 - アンカリング効果
最初に提示された数字や条件が基準となって、その後の判断が無意識に左右されてしまうという心理効果 - コントラスト効果
同じモノでも直前や直後に何に触れたのかによってそのモノの印象が大きく変わるという心理効果 - ヴェブレン効果
製品の価格が高まるほど製品の効用も高まるという心理効果 - スノッブ効果
人は周囲とは違う特別な存在であると潜在的に思いたいという心理効果 - ダブルバインド効果
誘導したい行動が前提の選択肢を提示して相手に選択の自由を与えないという心理効果 - エピソード記憶
人間は物事を記憶する時に、単に意味などを記憶するよりも、ストーリーに結びつけて記憶する方が遥かに記憶することができるという現象 - クレショフ効果
複数の画像を並べるとその間に何らかの繋がりを認識してしまう心理効果 - 決定回避の法則
選択肢が多くなると何を選択すべきかわからなくなってしまう心理状態 - バイヤーズリモース
商品を購入した後も「本当に買ってよかったのか」と後悔をしてしまう心理状態 - マジカルナンバー
人が一度に記憶できる情報の数