今回のテーマは外国為替です。
「〇〇時現在の為替と株の値動きは、ホニャララ」
なんてことをニュースを見ていたらよく耳にすると思います。
海外との交流が盛んなグローバル時代に、外国為替取引は重要性を増しています。
そんな時に活躍する外国為替取引とは一体どのような仕組みでなされているのでしょうか。
本記事「【世界経済】外国為替について①」では外国為替取引の仕組みなどの基本的な内容を説明していきます。
外国為替の仕組み
「外国為替」は一般に自国の通貨と他国の通貨を交換することを指します。
イメージを掴んでもらうために早速ドル/円をベースに考えてみましょう。
円高・円安の関係は以下のようになります。
例えば、2ドルのオレンジを買う場合を考えてみましょう。
円高になった場合
今まで2ドル=200円で買えていた
→2ドル=160円で買えるようになった
「安くなってる!」
円安になった場合
今まで2ドル=200円で買えていた
→2ドル=240円でしか買えなくなった
「高くなってる。」
このようにその時々のレートによって日本とアメリカ間であれば「円」を「ドル」に換えたり、「ドル」を「円」に換えたりして取引を行います。
外国為替の影響
外国為替は人々の行動にどのような影響を与えるのでしょうか。
日本を例に円高・円安になるとどうなるのかを見てみましょう。
円高
・海外旅行へ行くのがとても有利になる
→例)2009年の韓国旅行ブーム(円高・ウォン安)
・輸入品の物価が下がる
→例)商品や原材料を輸入に頼っている企業は仕入代金を安くできる
・海外送金が有利になる
→例)10,000円相当をドルに替えて送る場合
・1ドル=100円の場合⇨1円=0.01ドル(通常時)
0.01ドル×10,000円=100ドル
・1ドル=80円の場合⇨1円=0.0125ドル(円高時)
0.0125ドル×10,000円=125ドル
⇨円高により25ドルの増加
円安
・企業の輸出売上高が上がる
→円安ということは海外企業にとっては「日本製品安価セール」状態
そのため海外側から見れば「安いから買いたい!」状態
はい、ということで外国為替は人々の意思決定に大きな影響を与えているのです。
外国為替市場
ではその外国為替取引が行われているところってどんななのってことを見ていきましょう。
外国為替市場は「インターバンク市場」と「顧客市場」があります。
「インターバンク市場」
インターバンク市場は金融機関同士で売買が行われる市場になります。
市場といっても「東京証券取引所」みたいに実体があるわけではなく電話やコンピュータ回線などを通じて取引されるネットワーク市場のことを指します。
インターバンク市場における外国為替取引は基本的に以下の2つの方法によって行われます。
ダイレクトディーリング
銀行などの金融機関同士が専用端末や電話を使って直接取引をする
「部屋借りる時に大家さんと仲良いから直接住まわせてもらう感じ!」
ブローカー取引
「為替ブローカー」と「電子ブローキング」の2つによる
→「為替ブローカー」・・・銀行間の外国為替取引を仲介する業務を行う
「電子ブローキング」・・・人を介さず通信端末を介して行う
※今は「電子ブローキング」が主流
「部屋借りる時に不動産屋で探してもらって住む感じ!」
インターバンク市場では「インターバンク・レート」という為替レートを基準に取引が行われます。
「顧客市場」
顧客市場は銀行と「企業・個人」の間で売買が行われる市場になります。
これは企業や個人が外貨を売買したい時に使われるものですね。
「外貨預金持ちたい!」とか。
為替レートは「インターバンク・レート」を中心に以下のようになります。
~銀行側から見て~
外貨を売る時の為替レート→「インターバンク・レート」+手数料
外貨を買う時の為替レート→「インターバンク・レート」ー手数料
厳密に言うと、企業と個人でレートが違うんですが理解するにはこれでオッケー!
ということで外国為替市場をパッと図に表すと、以下のようになります。
『JFX株式会社 外国為替の基礎知識』
参考元:https://www.jfx.co.jp/category/beginner/beginner02.html
為替レートを動かす要因
為替レートは上がったり下がったりを繰り返して常に変化していますよね。
これって何が要因で動くのでしょうか。
そもそも為替レートっていわばその通貨の価値を表しているとも言えます。
価値っていうのは需要が高まるとそれに応じて高くなるわけです。
「円」を例にざっくり言うと、一般に「円高」は「円の人気が高まっている時」で「円安」は「円の人気が落ちている時」です。
ではなぜその通貨に需要が生まれるのでしょうか。
それは一般にその通貨を持っておくことによって受ける便益が大きくなっているということです。
また、この通貨の価値が下がりそうだと思ったら他の通貨に換えるでしょう。
例えば、金利が高い国の通貨を持っていればその分利息をたくさんもらえます。
また、戦争などの有事が起きてその国の経済状況が悪くなろうとする時はその通貨の価値が暴落する前に他の国の通貨に換えるでしょう。
この他にも外国の商品を買う時に自国通貨を他国の通貨に換えなければいけない時などがあります。
このように経済状況、金利、有事などの影響を受けて為替レートは変動します。
また、政府が市場介入をして意図的に為替レートの変動を促したり、市場参加者の心理が相場に反映されて変動する場合もあります。
まとめ
・外国為替はある通貨を他国の通貨に換えること
・「円高」「円安」にはそれぞれメリット・デメリットがある
・外国為替市場には「インターバンク市場」と「顧客市場」がある
・インターバンク市場→金融機関vs金融機関
・顧客市場→金融機関vs顧客
・為替レートは通貨の価値を示す→様々な要因で変動
以上が外国為替の基本的な内容になります。
外国為替取引の大枠は掴めたのではないでしょうか。
今やグローバル化が非常に進んだ社会です。
海外との取引または海外でのビジネスでは外国為替取引は切り離せません。
ですので外国為替の知識は是非頭に入れておいてください。
なお、下記の記事では外国為替についてもう少し深入りした内容を扱っているので、
参考にしてみてください。
お待たせしました! 今回は「外国為替」のパート2です。 前回は外国為替に関する基本的な内容に触れました。 今回は少し応用的な内容も含めて発信していきたいと思います。 おそらく内容としては前回よりも面白いんじゃないか[…]
最後までお読み頂きありがとうございました。