意外と知らないビットコインの仕組みとは?わかりやすく解説【マイニング】

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  • ビットコインの仕組みとは?
  • ビットコインのメリットデメリットとは?
  • ビットコインのマイニングとは?

本記事ではこのような疑問を解決します。


2017年の仮想通貨ブームの後、再び今話題となっているのが仮想通貨です。

中でもビットコインは時価総額ダントツ1位の銘柄であり、仮想通貨を代表する存在になります。

そんなビットコインですが、仕組みについては意外と知らないという方が多いのではないでしょうか。


そこで今回はビットコインに仕組みについてわかりやすく解説していきます。

そもそもビットコインとは?

ビットコインはインターネット上で使うことができる電子通貨です。

さらにビットコインは電子通貨の中でも法定通貨(Suica、nanacoなど)に該当しない仮想通貨に当たります。

ビットコインは2008年に「サトシナカモト」と名乗る者が技術文書を公開し、2009年に使用が開始されました。

また、ビットコイン取引を実現するための技術としてブロックチェーン技術があり、ブロックチェーンは以下のような特徴を持っています。

・中央機関を持たないP2Pネットワーク(インターネット上に分散保存される取引台帳)

・データの正しさを検証する

・データの改ざんや二重支払いができない

なお、このブロックチェーン技術はビットコインの登場により一気に有名になりました。

ビットコインとブロックチェーンがセットで語られるのはそのためです。

ビットコインのメリット

ビットコインには以下のようなメリットがあります。

・世界中で利用できる

ビットコインは両替をせずに世界中で利用することができます。

通貨の両替には手数料が生じるため、両替を要しないビットコインは使い勝手が良いです。

例えば円をドルに両替する場合、みずほ銀行であれば1ドルあたり2円の手数料がかかってしまいます。

つまり、1,000ドルに両替するだけで手数料は2,000円です。

この点、ビットコインであれば両替の手数料はかからず、決済手数料のみで済みます。

・個人間で直接送金ができる

ビットコインは個人間で容易に直接送金が可能です。

銀行であれば送金を行うのに各種手続きがあったり、着金までのタイムラグが発生したりします。

この点ビットコインはスピーディーで簡単に送金ができます。

・手数料が安い

ビットコインは取引にかかる手数料を安く済ますことができます。

例えば海外へ送金する場合、みずほ銀行であれば8,000~8,500円の手数料が生じます。

一方、ビットコインであれば無料か0.0004BTC(約1,400円・2021年7月16日現在)の格安で海外送金をすることができるのです。

ビットコインのデメリット

ビットコインには以下のようなデメリットがあります。

・価格変動が激しい

ビットコインは価格の変動幅(ボラティリティ)が大きい通貨です。

ここ最近だと、2021年4月に1BTCあたり7,000,000円近くまで上昇したと思ったら、5月には3,000,000円台に下がりました。

そのため、現状まだまだリスク資産であると言えるでしょう。

・価値が保証されていない

円やドルなどの法定通貨は日本やアメリカという国が価値を保証しています。

一方、ビットコインは中央機関が存在しないため、明確に価値が保証された通貨ではありません。

そのため、何か問題が発生した時に価値が暴落してしまうリスクが存在します。

ビットコインならではの仕組みを5つご紹介

ここからはビットコインならでは仕組みを5つご紹介します。

どれもビットコインを押さえる上では必須の要素になっています。

みんなで管理するP2Pネットワーク

P2Pネットワーク

ビットコインはブロックチェーン技術で成り立っていることは広く知られています。

さらにそのブロックチェーンは中央機関を持たないP2Pネットワークで運用されていることを先ほど説明しました。

P2PとはPeer to Peerの略で、同等につながることを意味します。

つまり、中央のサービス提供サーバーにアクセスせずに、それぞれのノード(機器1つ1つ)同士でつながることです。

これによって中央機関の支配や影響を受けることなく、みんなで平等にネットワークを管理・運用することができます。

したがって、ビットコインは国や企業の支配を受ける法定通貨ではなく、全世界の人たちと自由に取引ができる通貨なのです。

アドレスとウォレット

アドレス・ウォレット

ビットコイン取引を始める際にはアドレスというものが必要になります。

アドレスとはお金の送付先のことで、銀行における口座番号にあたるものです。

さらに手持ちのビットコインを管理するためにウォレットというものが必要になります。

ウォレットとはスマホアプリやWebサービスで実現されている「送金」や「残高確認」ができる道具のことです。

つまり、ビットコインを保管しておく場所になります。

ただ、厳密にいうと、ウォレットは秘密鍵を保管する場所であり、この秘密鍵については「電子署名」のところで解説します。

ビットコインのマイニング

マイニング全体の流れ

ビットコイン取引はマイニングという仕組みによって成り立っています。

マイニングとは簡単にいうと、ビットコインの取引データを検証・管理する作業のことです。


ビットコインのP2Pネットワークでは中央の管理者がいないため、有志でこのマイニング作業を行ってくれる人がいないと、ビットコインの運営自体が成り立ちません。

そこでマイニングをしてくれる人に、マイニング成功の対価として報酬(ビットコイン)のインセンティブを与えることによって、世界中でマイニングが行われています。

マイニングでは不正な取引がないように取引データの検証を行いますが、この検証作業は、簡単にいうとランダムの数当てゲームみたいなものであり、世界中の高性能で大規模なコンピューターによって莫大な量の計算競争がなされています。

つまり、世界中のマイナー(マイニングを行うノードのこと)たちが報酬をかけて争っているのです。


このようにマイニングに対して報酬をつけることで、自律的に取引データの検証が行われます。

また、マイニングによって中央の管理者が不在でも公正な取引が成り立っているのです。

なお、マイニングについてはこちらの記事でさらに深く解説しているので参考にしてみてください。

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電子署名

電子署名

電子署名とはビットコインの持ち主や、取引データの改ざんが行われていないことを証明する技術のことです。

そして、電子署名は公開鍵暗号ハッシュ関数の2つの技術によって成り立っています。

公開鍵暗号

そもそも暗号とは何なのでしょうか?

暗号とは他人にわからないようにメッセージのやり取りを行う仕組みのことです。

以前の暗号方式では暗号のルール(1文字ずらすなど)が漏れるとメッセージの内容がバレてしまうという問題がありました。

一方、現代の暗号方式では数学の理論をベースとした暗号技術が主流で、暗号のルールはバレても大丈夫なようになっています。(というか公開されている)

そのため、現代の暗号方式では、秘密にしないといけないものは暗号に用いる「鍵」であり、その主要な暗号方式として公開鍵暗号があります。

公開鍵暗号は秘密鍵と公開鍵を用いて暗号化する方式のことで、公開鍵は一般に公開しても安全なものであり、秘密鍵は鍵の作成者だけが持つべきものです。

ここで公開鍵暗号を南京錠を例にイメージを膨らませましょう。

公開鍵・秘密鍵

さらに、公開鍵暗号は以下の特徴を持っています。

・秘密鍵を持った人しか特定の操作ができない

・特定の人を指名して、その人だけがある操作を可能とする仕組みを作るのに向いている

・「コインをある人に送金して、受け取った人だけが使えるようにする」という仮想通貨の仕組みを実現している

ここで、秘密鍵とはランダムに選ばれる数値のことで、送金されたお金を使用する(電子署名を生成する)際に用いられます。

秘密鍵は、他人に漏らすとお金を使用できてしまうので必ず秘匿にし、スマホの紛失などに備えてバックアップをしておく必要があります。

なお、秘密鍵の作成はOSの乱数生成器などを用いて行います。

ここで大事なのはいかに規則性のない乱数を得ることができるかということです。

規則性がなければ秘密鍵の予測が困難になるため、安全性は高まります。

また、秘密鍵と公開鍵の関係は、秘密鍵からは公開鍵を計算できるが、公開鍵から秘密鍵は計算できないというようになっています。

メッセージのやり取り

ブロックチェーン(ビットコイン)においては以下のように使われます。

ビットコインのやり取り

ハッシュ関数

ハッシュ関数とは同じ値を入れれば同じ値が得られ、違う値を入れれば関連性のない異なる値が得られる(予想できない)もので、長さの異なる値を入れても一定の桁数となるものです。

そもそも関数について簡単に説明すると、関数はある値を入れると処理を行ってから別の値を返してくれるものです。

関数を料理人に例えると、関数という料理人に食材を渡して調理してもらって料理ができあがるというイメージです。

ブロックチェーンにおいてはメッセージをハッシュ関数でハッシュ化し、秘密鍵で暗号化して送信します。

ブロックチェーンにおいては取引データをハッシュ関数で出した値で照合することにより改ざんを検知します。

ハッシュ関数

ビットコイン発行量の制限

ビットコインはマイニングが完了した時に、マイナーに対して新たなビットコインが発行されます。

しかし、ビットコインの発行量は4年に一度の周期で半額になるように設計されています。


これはインフレが起きて通貨の価値が下がるのを防ぐためです。


通貨の流通量が増えすぎると相対的にコインの価値は下がっていきます。

例えば世界に10個しかない時計であればものすごい価値がありますが、世界に10,000個ある時計であれば相対的に価値は下がります。

ビットコインもこれと同じで流通量が増えるほど発行量を減らし、コインの価値を維持しているのです。

まとめ

ビットコインは中央機関が存在せず、ネットワーク参加者みんなで管理・運用されている通貨であることがわかりました。

また、国の通貨やSuicaなどの電子マネーとは違った特別な仕組みを有しいるのがビットコインです。


現状、まだ安全性に少し問題があると言われていますが、
送金や支払いが便利にできて、これから価値が上がっていくことが予想される通貨であるため、
将来性を秘めた金融資産なのではないでしょうか。


なお、ビットコインを支えるブロックチェーンについてはこちらの記事を参考にしてみてください。

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